「機械加工」の基礎

機械加工

この記事は

  • 機械加工ってなに?
  • 機械加工の他の加工って?
  • どんな加工が機械加工になるの?

という感じで、機械加工について興味を持っている方へ向けての書いています。

ザックリ ですが、基礎的なことが理解できます。

機械加工(きかいかこう、machining)は、切削工具や工作機械を用いて素材(機械の部品など)を加工すること。切削加工・研削加工・研磨などさまざまな方法がある。

加工に当たっては、旋盤・フライス盤・ボール盤・研磨機・NC工作機械・マシニングセンタなどの工作機械が使用される。

ウィキペディア(Wikipedia)より引用

加工法について

金属の加工法はいろいろなものがありますが、大まかに5つに分けて簡単に説明します。

  • 「削る、切る」機械加工
  • 「変形させる」塑性加工
  • 「つなげる」接合加工
  • 「素材の性質を向上させる」熱処理
  • 「表面だけを目的の性質変化させる」表面処理
機械加工後で詳しく述べますが、加工精度がよく精密部品に用いられる。
除去加工なので切りくず、廃材がでる。
加工時間が比較的長く、コストは割高となる。
塑性加工素材を変形させて加工する方法なので切りくず、
廃材はでないので材料の節約にもなり、比較的加工時間が短いので、
一般に広く用いられています。
加工精度は機械加工に劣る。
鍛造、ダイス成形、圧延、曲げ、絞り、せん断の
6種類の加工法がある。
接合加工材料をつなげる加工なので材料の節約、加工時間の短くなりますが、
接合部の強度は落ちます。
溶接が最も一般的な接合加工です。
他にはロウ付け、ハンダ付けなどで接着、圧入、
ねじを使っての固定もこの加工に入る。
熱処理加工材料の機械的性質の向上を目的として行います。
素材の組織の軟化、応力除去などが目的の「焼きなまし」、
組織の均一化させる「焼きならし」、
硬くする「焼き入れ」、
焼き入れで不安定な組織にを、安定化させる「焼き戻し」
があります。
表面処理加工強度や耐久性、耐食性などの性質向上が目的の加工で、
めっき、溶射、塗装などが一般的です。

機械加工の種類

機械加工についても4つに分類します。

切削加工、研削加工、研磨加工、放電加工

切削加工切削工具を使って、素材を切り、削る加工法です。
一般的に表面の仕上げ精度は研削加工に劣るが、
単純な形状から複雑な形状まで幅広く加工ができる。
旋盤、フライス盤、ボール盤、平削り盤、歯切り盤などの
工作機械を使う。
研削加工高速回転する砥石で素材を削る加工。
切削加工では無理な高硬度の材料も加工できる。
表面の仕上げ精度は切削加工より優れるが、加工に時間がかかる。
研削盤を使う。
研磨加工研削加工と混同されやすいが、研削は削るのに対して、
研磨(砥粒研磨)は磨くので厳密には区別されている。
工具あるいは素材に一定の力で押し付けながら相対運動させる。
ラッピング、ポリシング、ホーニングなどの方法がある。
放電加工電極と素材の間のアーク放電によって素材を除去加工する。
一般に切削加工できない高硬度の素材、
または、工具が入らないところなどの加工に使う。
真鍮のワイヤーを電極にするワイヤ―放電加工、
銅などを成型して行う形彫り放電加工がある。

工作機械

機械加工に使う、一般的な工作機械を下にまとめました。

旋盤素材が回転して加工する。円筒、円錐、など丸形状の加工に使う。
通常は素材を横向きに取り付けるが、立型の旋盤「ターニング」もある。
また、数値制御の「NC旋盤」、フライス加工もできる
「複合旋盤」など種類も豊富である。
フライス盤工具が回転して、素材を加工する。四角など多面形状を加工する。
元々は平面加工の専用だったみたいですが、
工具交換が簡単に出来るタイプは穴加工もできる。
また、数値制御のNCフライス盤や、素材に合わせて、
通常の「立型」、「横型」、「門型」など、さまざまに進化している。
平削り盤プレーナとも言い、長い素材の平面削りに使われる。
素材を固定したテーブルを往復運動させて、
回転しない工具(バイト)を使って、直線運動で少しずつ加工する。
加工による変形(曲がり)がフライス加工より小さい。
「門型」、「片持型」がある。
ボール盤ドリル、リーマー、タップ、中ぐりなど穴加工の専用の工作機械です。
小型の「卓上ボール盤」、大型の「ラジアルボール盤」、
ガンドリルという工具で深い穴を加工する「深穴ボール盤」、
数値制御の「NCボール盤」もあります。
中ぐり盤既にあいている穴を広げる加工が得意な工作機械です。
主軸にバイトを取り付けて回転させて加工します。
比較的大型素材、大径加工に使われます。
「横中ぐり盤」が一般的ですが、立型もあるそうです。
また、数値制御の「NC中ぐり盤」や、
高精度の「ジグ中ぐり盤」もあります。
マシニングセンタ自動工具交換(ATC)ができて、フライス、穴あけ、中ぐりなどの
多様な加工のできる数値制御の工作機械です。
一台でほとんどの加工を自動で行うことができるので効率的です。
「立型」、多面加工ができる「横型」、「門型」、複雑な曲面の
加工ができる「5軸マシニングセンタ」などがあります。
研削盤研削加工をする工作機械です。
平面の加工は「平面研削盤」、
丸物は「円筒研削盤、内面研削盤」、
歯車は「歯車研削盤」で加工します。
歯切り盤歯車を作る工作機械です。
歯車は用途によっていろいろな形状があり、歯切り盤も同様です。
平歯車やはすば歯車が作れる「ホブ盤」が有名です。
放電加工機放電加工を行う機械です。
貫通した形状の加工に使う「ワイヤー放電加工機」と、
止まり形状(段差形状)の加工に使う「形彫り放電加工機」

切削工具

機械加工で使う切削工具は、削材の材質、形状、用途によって使い分けます。

工具の種類

一般的な工具を下にまとめました。

ドリル穴をあける工具です。
タップねじを加工します。
通常はドリルで規格で決まった穴を加工してタップを使います。
リーマー高精度の穴を加工します。
通常はドリルの後、仕上げにリーマーを使います。
フライス回転工具で平面、溝など用途に応じて多種多様な工具です。
また、いろいろな呼び方がありますが、
穴加工以外はフライス工具のイメージです。
(厳密には違うかもせれませんが…)
エンドミルフライス工具の一種で、比較的小さい範囲を加工します。
中ぐり穴を広げる加工です。
リーマーの仕上げ前や公差指示の穴加工が可能です。
バイト旋盤の外径、内径、溝、ねじ切りなどで使います。
平削り盤でも平面、溝加工で使います。
中ぐりにつけて使うこともあります。
ホブ歯車の歯切り工具です。

工具の材質

一般的な切削工具の材質を下にまとめました。

ハイス高速度鋼の High speed steel の頭文字でHSSと略されます。
幅広く使われる。
超硬合金ハイス鋼よりも耐摩耗性、耐熱性に優れているが靭性は劣る。
サーメット鉄との親和性が低く、超硬合金よりも切削面がきれいになる。
一般的に、もろく欠けやすい。
CBNCBNは立方晶窒化ホウ素の Cubic boron nitride の頭文字で、
ダイヤモンドに次ぐ硬さです。
ダイヤモンドアルミニウム、銅など非鉄金属材料の加工に使われる。

まとめ

加工法は5つ

  • 「削る、切る」機械加工
  • 「変形させる」塑性加工
  • 「つなげる」接合加工
  • 「素材の性質を向上させる」熱処理
  • 「表面だけを目的の性質変化させる」表面処理

機械加工は4つ

  • 「削る、穴をあける」切削加工
  • 「高精度に削る」研削加工
  • 「高精度に磨く」研磨加工
  • 「放電させる」放電加工

工作機械は用途に応じていろいろ

  • 「丸物」旋盤
  • 「平面」フライス盤
  • 「穴あけ」ボール盤
  • 「穴を広げる」中ぐり盤
  • 「自動で万能」マシニングセンタ
  • 「高精度」研削盤
  • 「歯車」歯切り盤
  • 平削り盤、放電加工機もあります。

切削工具

  • ドリル、タップ、リーマーは穴加工用
  • フライス、エンドミルは平面加工用
  • バイト、は旋盤、中ぐり、平削りなど
  • ホブ、は歯車用
  • 材質はハイス、超硬、サーメット、CBN、ダイヤモンド

以上です。ザックリ とした説明でしたが参考にしていただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。