お疲れ様です。 セドヤ です。
今回はマシニングの 面取り工具の使い方 について説明します。
初心者は面取りで悩むケースや加工ミスが多いと思います。私もそうでした。というか、今でも使ったことのない面取りは悩みます。
この記事の結論
- 面取り工具は先端の半径と角度がわかっていれば簡単に使える
- 半径と深さの関係は切れ刃の角度で決まる
以上です。
この記事を最後まで読むと面取り工具での C面取り、R面取り からアンギュラーカッタやテーパエンドミルを使った勾配やテーパの加工に必要な計算方法が理解できます。
機械加工歴20年の セドヤ が丁寧に説明します。
面取りとは
面取りには平面のC面取りと曲面のR面取りがあります。
面取りはなぜ必要なのでしょうか?
- 安全のため →バリ取りやけがの予防。
- 外観をキレイにするため →好印象を与えられる。付加価値。
- 何かがあたるのを(干渉)避けるため →設計、構造上の理由
バリの除去目的の面取りは「糸面取り」と呼ばれます。調べてみると特に決まりはなく感覚的なもののようです。
発注側(設計、組立)により大きさも変わりますが、面取り量でC0.2~C0.3程度なら「取りすぎ」ということはなさそうです。用途によっては面取り不可の場合もあります。はじめてのお客さんの図面はよく確認する必要があります。
面取り工具の形状
面取り工具には多くの種類があります。
- R面取りはRの大きさにより専用の工具が必要になります。
- C面取りの大きさは工具である程度調整できます。
- 通常と反対側に切れ刃が付いた裏面取り工具もあります。
- 角度が指定された面の加工はテーパエンドミルやアンギュラーカッタなどを使います。
※面取り工具を使わず、ボールエンドミルなどで小刻みに倣い加工する方法もあります。
マクロプログラムやCADCAMなどで行います。
面取りで必要な計算
まずは面取り工具先端の半径と角度をカタログで調べます。
先端角度90度の面取り工具(切れ刃角度は45度)工具について
- 先が尖ったタイプは 深さ = 半径 となる。
- 先平のタイプは 先端の半径を加算 する。
深さと半径の関係がわかれば、あとは簡単です。
面取り量と同じだけ深く加工すれば目的のC面取りができます。
先端の半径がわからないときは実際に当てて計算します。
切れ刃角度がわかれは深さと半径は三角比で求めることができます。
勾配やテーパの加工するときに使えます。
大きい面取り加工
一度の切り込みでは刃長が足りない場合や、負荷を抑えたい場合があります。
そんな時は切り込みを数回に分けて刻んで面取り加工します。
R面取り
R面取り用の工具はいろいろ販売されていますが、切れ刃がR形状のため一般的に切削抵抗が大きくなります。
大きいR面取りの加工の場合、複数回で刻んで加工するか、別の工具で荒加工します。
私がお勧めは荒加工をC面取りで行う方法です。
面取り加工の応用
R面取りや特殊形状の加工は私が機械加工の仕事を始めた頃は、職人さんが傷んだエンドミルや完成バイトをグラインダーで成形して作っていましが、最近では業者さんへ成形を依頼できます。
また、通常のボールエンドミルやR付エンドミルなどで加工できる形状なら、時間は割増しになりますがプログラムで加工できます。
今回説明した計算や加工手順を利用して、マクロプログラムで試してみてください。
まとめ:【マシニングの面取り工具の使い方】
- 面取りにはC面取りとR面取りがある。
- C面取り工具は深さと半径の関係を把握して使うようにする。
- 一度で加工できない場合は刻んで加工したり、別の工具で荒加工をしたりする。
いかがでしたか?
面取りについて理解できたと思います。
ご意見がありましたら、コメント、問い合わせお待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上で終わりです。