お疲れ様です。 セドヤ です。
今回は商品紹介の記事です。
トラスコさんの「エアージェット」をご存知でしょうか?
圧縮空気を冷風にして吐き出してくれる「冷却装置」です。金属の切削加工の時に活躍する便利な道具です。
記事の結論
- エアージェットの冷却効果は大きい。(最大-31°)
- マグネットで固定するタイプでいろいろな場所で使える。
- エアーの圧力を求めるならお勧めできない。
エアージェットはなぜ冷たい空気が出るのか?
使ってみた感想をまとめてみました。
エアージェットとは
トラスコ(TRUSCO)さんが販売している冷却装置で商品名が「エアージェット」です。

エアージェットの特徴
- 圧縮空気をエアージェット本体に通すだけで冷風になって出てきます。
(反対側から熱風が排出される) - 冷媒、電気は使いません。(必要なのは圧縮空気だけ)
- 圧縮空気の使用範囲は0.2~0.5MPaです。
- シンプルな構造で機械的な故障の心配もいりません。
なぜ冷風になるのか不思議ですね。ボルテックスチューブの原理を応用しているそうです。詳しくは後述します。
主なパーツは以下の5つです。
- エアージェット本体
- サイレンサー
- ノズル
- ホースニップル
- マグネット台

セット販売されていますが、パーツごとに個別でも販売されています。
2本ノズルにアレンジできます。
エアージェットの主な用途は切削加工時の冷却ですが、取扱説明書には他の用途についても記載がありました。
- 工業用ミシンの針、糸の冷却
- ハンダ冷却
- 接着時の冷却
ボルテックスチューブの原理
エアージェットは ボルテックスチューブの原理 を利用した冷却装置です。
圧縮空気が旋回室に送られると外側の壁に沿って回転しながら排気口に向かい一部(熱風)が排出されます。残った空気は中心あたりを通り反対方向の排気口(冷風)から排出されます。

これでどうして冷風が発生するのかは私自身、正直わかっていません...。
遠心力、圧力差から熱分離されるらしいです。
何だか難しいですね。
私なりに単純に考えたボルテックスチューブの原理のポイントは2つです。
- 電気や冷媒ガスなど必要ない。
- 冷風と熱風に分離される。
発見した人はすごいですね。
エアージェットのメリットとデメリット
メリット
- 冷却効果は大きい。(最大温度差 ‐31°)
- マグネット台で固定できるのでいろいろな場所で使える。
- ノズルのアレンジが可能でバルブで圧力調整も可能。
- 切削液を使えないときに便利(精密部品の追加加工など)
- 切削液を使わないため掃除が簡単。
デメリット
- 冷却対象から離れると冷却効果が落ちる。(20cm以内が推奨)
- 切削液のような潤滑性はない。
「キュルキュル」音が気になるようでしたら少量の切削液を垂らす程度で音は止まります。 - エアーの圧力が減るため(3~4割減)切りくずを飛ばす効果は低い。
エアージェットの感想
マグネット台と連結部について
- マグネット台とエアージェット本体の接続用の部品は短いねじ一本で固定されています。
(※購入時には取り付けであります。組立の必要はありません) - エアージェットは横側に取付けるとエアーの圧力でネジが弛みやすい。
- また、弛んだねじを締めるとき強く締めるとマグネット台のめねじがなめしまう(経験談)ので特に注意してください。

どのメーカーのマグネット台も同じだと思いますが、落下で壊れることが多いので取り扱いは注意してください。
冷却効果について
- 冷却開始してすぐにノズルの外側に水滴が付着し始めます。触ると確かに冷たく感じます。
- 室温に影響されますが20~30分後には白く凍るほどの冷却効果です。

サイレンサーについて
- サイレンサーを外すと音はかなり大きくなります。
- サイレンサーを外しても冷風の圧力は感覚的にはほとんど変わりません。
- 価格もお手頃なので、取り付けることをお勧めします。
まとめ:トラスコ冷却装置【エアージェット】
- 「エアージェット」は冷媒、電気などは使わず、圧縮空気をエアージェット本体に通すだけの冷却装置です。
- 主なパーツは以下の5つ。
- エアージェット本体
- サイレンサー
- ノズル
- ホースニップル
- マグネット台
- 冷却効果は大きくノズルの表面が凍るほど。(最大-31°)
- エアーの圧力は冷風排出口で3~4割程度弱くなる。
- マグネット台は取付けボルトの締め付けには気を付けてください。
トラスコ冷却装置「エアージェット」はいかがでしたか?
個人的に切削液を使えないとき、掃除を楽したいとき、単純に冷却したいとき、いろいろと使ってます。
こんな反論もあると思います。

でもエアージェットの冷風よりも
切削液や強力なエアーブローの方か切削性はいいでしょ?
もちろん用途によってはそちらの方が優れていると思います。
選択肢の一つとしては考慮にいていただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上で終わりです。