機械加工の仕事内容

機械加工

 この記事は

  • 機械加工の求人を見かけたんだけど、どんな仕事?
  • 機械加工したことないけど、ちょっと興味ある

 といった人に機械加工の仕事内容を紹介したいと思います。

 この記事での仕事内容は1つの例ですので、あらかじめご了承ください。

 まず、「機械加工の仕事」といっても事業所の形態や業界(自動車とか造船とか半導体など)によっても違います。

 基本的に加工する部品の「数」次第で作業内容は変わってきます。

 自動車の部品のように同じものを大量生産する場合だと、何でも作れる工作機械を使うより、専用の工作機械を作ったほうがコストが抑えられます。専用の工作機械での加工なら、日常業務も消耗品の交換や機械の保守など稼働している機械を止めないため作業になると思います。

 ここでお伝えするのは、いわゆる「少量多品種」のマシニングセンタの場合です。

 手動で動かす工作機械(汎用)より、無人での稼働時間が長くなるので違いはありますが、共通するところは多いと思います。
 また「少量多品種」なので、初めて加工するものもあれば、以前加工したものや類似品を加工などいろいろです。上司に指示されたものを何でも加工するわけです。

機械加工についてはこちら

全体的な作業の流れ

 一般的な作業の流れを説明します。

作業の流れ
  • 素材の切り出しや、必要な工具や道具を準備

  • 加工できるよう素材を固定(段取り)

  • 加工

  • 検査

  • バリ取り、加工が残っている場合は段取りへ戻り繰り返す

  • 完成、次工程へ

 こんな感じです。
 流れ作業のように同じ加工を繰り返す場合もあります。
 NCの工作機械やマシニングセンタを複数担当する場合もあると思います。

参考

 段取りには「外段取り」と「内段取り」があります。
「外段取り」は機械の外側の段取りで稼働中でもできる段取りです。
「内段取り」は機械の内側の段取りで停止させなければできない段取りです。

 機械の稼働中に「段取り」ができれば当然ですが、稼働時間が増えますよね。

 ここから掘り下げていきます。

step1 外段取り

 まず、図面から必要な工具や道具類があるか確認します。

 加工する段階で工具がないとか、ワークが固定できないとなると、最悪ですよね。購入するにも納期が必要なので、事前に確認して準備します。

 この段階で加工の手順も考えて、すぐにプロクラムを作れるようにしておきます。

 図面の寸法の記入もれや、よくわからないことは問い合わせておきます。

 表、裏、横など何回機械にのせて、どこを加工するかまで、具体的に決めます。

 最初は難しいですが、プロクラムも事前に作ってきます。機械を止めずにできることはしておきます。

初めての加工品でも、事前にシミュレーションソフトでプログラムのチェックをしておく会社もあります。加工するときは基本的に無人だそうです。

 工具の準備もすぐに取り付けができるようにしておきます。
 ツールプリセッターがある場合は工具の測定をしておきます。(工具長、工具径)
 その他、機械を止めなくても安全にできる作業はしておきます。

step2 内段取り

 機械を止める必要がある段取りをします。
 工具をマガジンに取り付け必要に応じて測定して、補正値の入力します。
 ワークもセットします。

 パレットチェンジャー付きの工作機械の場合は外段取りでワークのセットができます。

参考

 「パレットチェンジャー」とは通常素材を乗せるパレットは1つですが、2個以上のパレットを交換する機能です。
 機械が稼働中に外段取りでワーク(素材)のセットができます。

 パレットチェンジャーが付いていなくても、「サブテーブル」に外段取りでワークをセットしておき、内段取りでサブテーブルを載せるなど、工夫もできます。

 単品、新規加工の場合は段取り作業の負担が多いので、機械が止まることが多くなりますが、安全作業でムリのないようにします。

step3 加工

 実際に加工します。
 加工シミュレーションで確認(デバック)がとれている場合や加工実績のあるプログラムのなら自動で動かして、次のワークの外段取りなど別作業ができます。

 プログラムが心配な場合は実際に機械を動かしてチェックします。工具交換でストップさせて確認する人が多いです。

 段取り替えの場合は加工したところの検査、バリ取りをしてstep3に戻ります。
加工忘れがないように注意します。

step4  検査

 加工が終われば検査をします。実際は初回の加工の場合なら加工途中に適時検査をしておきます。2個目以降は加工終わりの検査で不良品を出さないようにします。

step5 バリ取り

 最後にバリ取りです。取り忘れると怪我をしたり、加工部品の取り付け後の不具合の原因になる事もあるので忘れずに行います。

 できるだけ機械加工で面取りをしておくと手作業が少なくなり、見た目もよくなります。また、アルミや銅など柔らかい素材の場合は「キズ」「ダコン」をつけやすいのでバリ取りも注意が必要です。

 最後に次の工程に渡します。

まとめ

 step1~step5で紹介しました。

 要約すると

  • 素材をセットする前に事前に外段取りをします。
  • 素材をセットします。(内段取り)
  • 外段取りを増やせば機械の稼働時間も増えます。
  • 加工が終われば検査をします。
  • バリ取りをしておわり。

  いかがでしたか?

 「少量多品種」では管理体制も重要で大切なことですが、個人の能力が一番、強く影響すると思います。機械加工はみんなで一緒に1つのものを作るわけではなく、一人で加工するが基本です。もちろん、「できる人」からの指導は必要不可欠だと思いますが、最終的には自分ひとりでやる仕事だと思います。

以上、参考にしていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。