ボーリングバー【びびり対策】BIGのスマートダンパーのレビュー

工具治具

今回はマシニングセンタで大昭和精機(BIG)さんの防振機構内蔵のスマートダンパーを使ったレビューです。

長いボーリングバーを使った中ぐり加工は「びびり」が発生しやすく、穴の寸法精度や仕上げ面の面粗度に悪影響を及ぼします。それに切削加工をしている人なら、あの「びびり音」は聞くだけで嫌になると思います。「びびり」を抑制するためには、切削条件を調整したり、切れ刃(インサートまたはチップ)を変えたりしますが、完全に抑えるのは難しいです。

結論から言うとスマートダンパーの「びびり」抑制効果は素晴らしいです。
実際に加工したときの状況をお伝えしたいと思います。

「びびり」について詳しくはこちら⇓

防振機構内蔵スマートダンパーについて

今回紹介するBIGさんのスマートダンパーはマシニングセンタ用のボーリング、フェースミル用アーバー、旋削用ボーリングバーの種類があります。

詳細はこちら⇓
BIG 大昭和精機:防振機構内蔵スマートダンパー

今回使ったボルダーの型番「BBT50-CK6DP-380」です。
ホルダーのサイズは基準長が380㎜、バー直径φ64㎜です。

スマートダンパーを使った加工事例

加工の内容は以下の通りです。

被削材FC300(鋳物)
加工直径φ74(0~+0.02)
加工深さ300
穴の数4
工具長451
切削液ドライ(乾式)
工作機械門型マシニングセンタ
(三菱)


ボーリングのインサートの型番「TCGT110204FN H1ZX」ノーズR0.4の鋳鉄用です。

粗加工で穴径をφ72.5に加工した後ボーリングします。
ボーリングの加工手順は以下の通りです。

  1. まず穴径をφ73.7に中仕上げ
  2. 次にφ74(公差0~+0.02)に仕上げ

1. 中仕上げ(切込み0.6mm)

中仕上げで穴径をφ72.5からφ73.7に広げました。切削条件は以下の通りです。

  • 切削速度 116 m/min
  • 送り量  0.2 mm/rev
  • 切込み  0.6 mm

回転数 S500 送り速度 F100 になります。インサートのノーズRは0.4mmを選びました。工具摩耗を抑えてテーパーならないようにするためです。

加工結果
加工中の切削音は少しだけ「びびり音」が聞こえましたが、工具の振動はほとんどありませんでした。また、面粗度も「びびり」の模様のなく良好でした。この段階ではあまり関係ないですが、円筒度も0.02程度でした。
切込み量が多い割にすべてにおいて予想より良い結果でした。

画像ではわかりにくいですが面粗度は多少ザラザラしています。

2. 仕上げ(切込み0.15mm)

次はφ73.7からφ74に仕上げます。切削条件は以下の通りです。

  • 切削速度 140 m/min
  • 送り量  0.09 mm/rev
  • 切込み  0.15 mm

回転数 S600 送り速度 F540 になります。

加工結果
仕上げの切削音は「びびり音」もなく、工具の振動もありませんでした。また、インサートのノーズRを0.4mmにしたおかげで、面粗度もきれいで、円筒度も0.005でした。
4つの穴とも寸法精度、面粗度は安定していました。仕上げも予想以上に良い結果でした。

とてもきれいに仕上がりました。

良かったところ

  1. 「びびり」抑制の効果は確実にありました。
  2. 深いボーリング穴はテーパーになりやすいのですが、直径寸法、円筒度、ともに精度よく加工できました。

ノーズRが大きいほど「びびり」やすいので、普段ならノーズR0.2mmを使うところですが、スマートダンパーを試すつもりでR0.4mmで加工してみました。結果「びびり」もなく良好な仕上げ面を得ることができました。
また、ノーズRが大きいぶん、工具摩耗も少なく精度よく加工できたと思います

悪かったところ

  1. 工具の価格が高い
  2. 工具長を400mmを超えるためATC(自動工具交換)ができない

正直、悪いところは見当たらないのですが、挙げるとすればこんな感じです。

まとめ:BIGのスマートダンパーのレビュー

今回使ったボルダーの型番「BBT50-CK6DP-380」です。

加工条件
被削材FC300(鋳物)
加工直径φ74(0~+0.02)
加工深さ300
穴の数4
工具長451
切削液ドライ(乾式)
工作機械門型マシニングセンタ
(三菱)

1.中仕上げで穴径をφ72.5からφ73.7に広げた。切削条件は以下の通り。

  • 切削速度 116 m/min
  • 送り量  0.2 mm/rev
  • 切込み  0.6 mm

 少し「びびり音」があったが、工具の振動は感じず、面粗度も良好。

2.仕上げはφ73.7からφ74に加工。切削条件は以下の通り。

  • 切削速度 140 m/min
  • 送り量  0.09 mm/rev
  • 切込み  0.15 mm

「びびり音」もなく、面粗度、穴精度ともに安定。予想以上に良い結果。

いかがでしたか?
ボーリングで「びびり」を抑えるのは知識や経験があっても大変です。今回紹介したスマートダンパーはとても良い結果でした。一本は持っておきたい道具です。鋳鉄なので「びびり」にくい素材でしたが、参考にしていただければ幸いです。

以上で終わりです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

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