この記事は
という初心者、中級者の人達が
マシニングセンターなどフライス加工で切削速度や送り速度の決め方がわかるようになります。
この記事での切削条件とは、以下の4つの要素があると考えています。
今回は「回転数、送り速度」についての切削条件をメインに紹介します。
切削速度
切削速度は他の切削条件を考慮して決める必要がありますが、基本的には工具メーカーの推奨する切削速度(Vc)があります。
一般的に、切削速度を早くすると、工具も早くダメになります。摩耗してダメになった工具で加工を続けると工具が壊れたり、加工中の材料が使えなくなったりします。また、頻繁に工具の交換をすると効率を落とします。
切削速度を遅くすると、単純に効率を落とし最悪赤字になりますよね。
同じ種類の工具で切削速度を一定にしておくと比較ができます。
エンドミル | 回転数 | 切削速度 |
φ10 | 637 | 20 |
φ25 | 255 | 20 |
直径が違うので回転数は変わりますが切削速度は同じです。
工具の種類によっては直径で切削速度を変えることもあります。
適切な切削速度は工具の寿命と効率を考慮しないとダメですが、同じものを何個も加工しない限り完全な切削速度は分かりません。
よく使う工具やよく加工する材質の場合は基準の切削速度を決めておきましょう!
そして、工具交換時期や、工具寿命により調整するとよいと思います。
送り速度
送り速度も他の切削条件を考慮して決める必要がありますが、基本的には工具メーカーの推奨する1刃当たりの送り量(mm/tooth)があります。
送り速度は1刃当たりの送り量で決まりますが、工具の剛性が高いほど、送り量は多くできます。
加工時間も計算してみると予想と違うことがあるので、NCプログラムを作るときの目安にします。
実践的な切削速度の決め方
切削速度や送り量は、他の切削条件に影響を受けるのでメーカーの推奨の範囲も広く設定してあります。
まずは加工する材質と工具の種類で切削速度と送り量の目安を決めておきましょう。
私の目安は以下の通りです。
材質 | ドリルの切削速度 | 正面削りの切削速度 |
軟鋼(SS400) | 20 | 150 |
アルミ(A5052) | 30 | 500 |
ステンレス(SUS304) | 10 | 125 |
少し低めに設定してます。工具寿命重視のためです。また、小径の工具は折れやすいので送り量は少なく設定して、切削速度を多少上げます。
その他の切削条件
回転数、送り速度以外の切削条件で「切り込み量」の設定は重要になってきます。
本来は、切り込み量を決めて、切削速度、送り量の順番で決めます。切り込み量も工具と加工する材質によって目安を決めておきます。
あまり考え過ぎると、時間がもったいないので、少量の場合はまずは削ってみることをオススメします。
薄板、製缶品など弱い材料の時は切り込み量と回転数で、ビビりがでないように調整します。
また、切り込み量が少ないと切削速度は上げることかができるのですが、私は切削音で判断します。少しづつ上げて心地いい音で止めます。
削る方向(アップカット、ダウンカット)も切りくずの排出、工具寿命などに影響します。
切削液は切削温度、工具寿命に影響します。
まとめ
計算式は4つありました。
切削速度(m/min) = 円周率π*直径(mm)*回転数(min-1) / 1000
回転数(min-1) =切削速度(m/min)* 1000 / 円周率π / 直径(mm)
送り速度(mm/min) = 1刃当たりの送り量(mm) * 刃数 *回転数(min-1)
加工時間(min) = 移動距離(mm) / 送り速度(mm/min)
切り込み量、切削速度、送り量は目安を工具と、加工する材質によって決めておきましょう。
いかがでしたか?
参考にしていただければ幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。