この記事は
という人に技能検定について特級機械加工技能士のセドヤが紹介します。
私は、今まで3度、技能検定を受験しました。職種は機械加工、数値制御フライス盤作業です。
(※職種については後に説明します)
勉強方法など受験対策の体験談と技能検定の概要をまとめています。
この記事を読み終えると、技能検定の制度についてや、受験から合格までの流れがわかります。
技能検定のとは
技能検定をザックリ説明すると以下の通りです。
- 国家検定
- 働く人の技能と地位の向上が目的
- 毎年、試験が行われている
国家検定をいうことで少しだけすごい感じがしますね!
日程やその他の詳細は
中央職業能力開発協会 技能検定のご案内 で確認してください。
技能検定の種類
技能検定は「職種」で分類されています。職種は100以上あり、「等級」によってさらに細かく区分されています。
等級は難易度によって決まり、「職種」によって違いがありますが、
- 特級 管理、監督者
- 1級 上級者
- 2級 中級者
- 3級 初級者
という区分になりますが、職種によっては、特級や3級がない場合や、等級の区分がない「単一等級」のみの場合もあります。また、外国人技能実習生向けの等級もあるようです。
また、多くの職種の等級では複数の「作業」があり、その中のどれかを選択します。
例えば、
フライス盤の仕事をしている人が技能検定2級を受けるすれば
- 職種 「機械加工」
- 等級 「フライス盤作業 2級」
となります。
「職種」機械加工 等級「1級、2級」の選択作業を下に書き出してみました。
- 数値制御旋盤作業
- 立旋盤作業
- フライス盤作業
- 数値制御フライス盤作業
- ブローチ盤作業
- ボール盤作業
- 数値制御ボール盤作業
- 横中ぐり盤作業
- ジグ中ぐり盤作業
- 平面研削盤作業
- 数値制御平面研削盤作業
- 円筒研削盤作業
- 数値制御円筒研削盤作業
- 心無し研削盤作業
- ホブ盤作業
- 数値制御ホブ盤作業
- 歯車形削り盤作業
- かさ歯車歯切り盤作業
- ホーニング盤作業
- マシニングセンタ作業
- 精密器具製作作業
- けがき作業
機械加工は特に多いですが、個人的には「けがき作業」まであるとは驚きました。
これだけあると何かの作業には当てはまりそうですね。自分がしている仕事がないのさみしすぎる・・・。
技能検定の日程、試験内容
試験の日程は、前期と後期に分けてあり職種、等級でどちらかで行われます。
- 前期は4月ぐらいに申し込みをして、6~9月に試験
- 後期は10月ぐらいに申し込みをして、11~2月に試験
申し込みは、各都道府県の職業能力開発協会で受け付けています。
私が受験したときは、まず申し込みの資料を送付してもらう必要があり、期限ギリギリなりました。申し込みの際は早めの連絡をお勧めします。
試験内容は職種、等級により違います。学科と実技の2つの試験があります。
- 学科試験は60点以上で合格
- 実技試験は65点以上で合格
- 両方に合格しないと技能検定の合格にはなりません。
- どちらかが不合格の場合は、次回以降に不合格だった方の試験のみを受験して合格すればOKです。
受験料は参考金額ですが、
- 学科試験は3,100円
- 実技試験は17,900円
です。変更されることもありますので注意してください。
技能検定のメリット
合格すると、「技能士」を名乗ることができます。名乗ってる人は見たことありませんが・・・。
合格証書は、都道県知事や厚生労働大臣の名前で交付されます。
また、他の資格を受験をするときの、受験資格や一部試験の免除になる事があるそうです。
機械加工の技能検定を受験したときの話
ここからは私の技能検定を受けたときの体験談です。
受験のきっかけは、職場の上司から技能検定の話を聞いたからです。
その上司は「機械加工 数値制御フライス盤作業 1級」の技能士で、私も受験することにしました。
技能検定 機械加工 数値制御フライス盤作業 「2級」 を受験
当時は社会人3年目で、東芝のNC横中ぐり盤を担当していました。
上司に資料を取り寄せてもらい、前期に試験があったので申し込みをしました。数か月後に試験資料が送られてきました。
実技試験が最初にあり、その後、学科試験と実技試験のペーパーテストを同じ日に行う日程でした。実技試験の課題の説明もあり、製作課題の図面もあり、寸法の一部が当日に発表される「隠し寸法」になっていました。
試験に向け、材料を用意して、実際に練習をします。実技試験会場は近くの大きな会社でした。もちろん、初めて行く会社で、初めて使う機械(オークマ製)です。事前に連絡して練習させていただきます。
緊張したのを今でも覚えています。基本的な機械の使い方の指導してくれる人もいて、その後2度ほど練習に伺い、試験当日はプログラムを丸暗記していきました。
実技試験はなんとか時間内に加工を終わらせることができました。朝8時から15時ぐらいまで会場にいたと思います。すごく疲れていましたが、達成感と、合格の期待もありました。
学科試験は専門学校時代に学科試験免除の資格(技能照査だったと思います)を持ってたので免除でした。実技試験のペーパーテストは知らないことばかりで4割ぐらいの出来だったと思います。
まずいなー、と思いながら結果を待ちましたが
不合格・・・。
惨敗でした。ちなみに課題製作の方も後から考えると、形にしてるだけで精度的には不十分でした。
その後、技能検定のことはしばらく忘れていました。
技能検定 機械加工 数値制御フライス盤作業 「1級」 を受験
そして、6年後、30歳の記念に今度は「一級」を受験することにしました。
(最終学歴や実務経験の基準をみたせば、いきなり「1級」を受験できます)
当時は、大型の門型マシニングセンターを担当していました。自分ではもう一人前のつもりでいました。
試験内容は「2級」とそこまで違う感じではありませんでしたが、今度は学科試験も受けないといけないので、参考書も買って、試験の資料が送られて来るのを待ちました。
今度の実技試験の会場は、少し遠い会社でしたが、今度は4回練習に行きました。試験で使う機械も使ったことのあるタイプで順調に試験も終わりました。
学科試験用の勉強は参考書を一通り読んで練習問題をして、もう一度参考書を読んだら、あとはひたすら練習問題をしました。
試験の出来も7~8割のできて、「手ごたえあり」でしたが、ペーパーテストは、過去問題を見ても、出題傾向が全く読めないので、祈るしかありませんでした。案の定、マシンバイスの出題があり、そこは全滅でした。ペーパーテストのできは5割ぐらいだったと思います。
結果は、
合格!!!
やりました。結構うれしかったです。
当時の勤めていた会社では3000円の資格手当をつけてもらえるようになりました。受験料の20,000円は7か月で元が取れた計算です。手当をつけてくれる会社は珍しいので感謝です!
1級、2級の学科試験対策について
学科試験は練習問題を多くこなすことが一番の対策にあります。
実技のペーパーテスト、日常業務にも役立ちます。
技能検定 機械加工 「特級」 を受験
今度は「特級」の受験です。
このときは再就職して2~3年が経っていたと思います。少し刺激を求めての挑戦です。調べると、すでに技能検定「特級」が受験できる年でした。
(「特級」は1級合格して、5年の実務経験が必要です)
機械加工「特級」は後期の日程でした。学科試験と実技試験がありますが、課題製作の実技試験はなく、ペーパーテストのみです。したがって、勉強あるのみです。
ちなみに、私の周りに「特級技能士」はいません。すべてGoogle頼みです。早速、ググって参考書を購入しました。最初は参考書と問題集を買い、さらに後から問題集をもう2冊を追加購入です。「練習問題暗記作戦」です。
「特級」は管理、監督についての試験なので、工程管理や原価管理など「管理」とつく内容が多く、現場仕事の私にはなじみがありませんでした。最後の2週間はガッツリ試験勉強でした。
学科試験は買った問題集のおかげで8割のできで「手ごたえあり」でした。
ペーパーテストは例のごとく難しい問題でした。工作機械のレベル出し(水準器)の目盛りの読み方とかわかりません!
それでも6割ぐらいかな?
結果は・・・
合格!!!!!
ペーパーテストはギリギリでしたが、何とか「特級 機械加工 技能士」になれました。
現在の会社は資格手当なしです。残念・・・。
特級の試験対策
「特級」は前に述べたように管理、監督ついての知識が必要になります。特別に研修を付けた人でないと問題集だけでは難しいと思います。
私が行った勉強法は、まず基礎知識を定着させるためのテキストで勉強しました。その後、問題集で暗記していきました。
基礎知識を得るためテキストはこちら⇓
問題集はこちら⇓
まとめ:機械加工【技能検定】の概要と対策
- 技能検定は「職種」と「等級」で区分されています。
- たくさんあるので前期と後期に分けて試験をします。
- 申し込みは各都道府県の職業能力開発協会に早めに問い合わせてください。
- 合格すると「技能士」と名乗れます。
いかがでしたか?
私の体験談も入れさせていただきました。「2級」不合格、「1級、特級」合格でした。個人的にはいい経験ができたと思います。自分の意志で技能検定を受験したので尚更です。
特に最初の「2級」を受けた後は不合格であったものの、自分でも少し成長した感じがありました。
参考にしていただければ幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。