今回はヘリカル加工のプログラムの作り方について説明します。
ヘリカル補間を知らない人はまず「ばね」や「ねじ」をイメージしてください。円を描きながらZ方向も移動する「螺旋状」の動きをします。マシニングセンターなどNC工作機械でXYZの同時3軸制御されますが、ヘリカル補間ができない機械もあります。詳しくはお使いの工作機械の仕様書で確認してください。
ヘリカル加工は穴の加工でよく使います。また、スレッドミルを使ったねじ山の加工はヘリカル加工を行う必要があります。
通常の円弧加工より加工時間が短縮できる場合が多く、是非とも使い方をマスターしておきたい機能です。
「円弧補間がわからない」という方は、こちらからご覧ください。
今回は基本的な使い方と、穴加工で使う場合の例を紹介します。
ヘリカル補間の使い方
平面指定は「G17 」のXY平面の場合の説明します。
円弧補間に「Z」を加えるだけでヘリカル補間になります。また、円弧補間と同じように I_ J_ の代わりに R_ を使うこともできます。
アドレス | 入力するデータ |
---|---|
X | 円弧補間の終点 X 座標 |
Y | 円弧補間の終点 Y 座標 |
Z | Z座標の終点 |
I | 始点から円弧中心までの X 距離 |
J | 始点から円弧中心までの Y 距離 |
(R) | 円弧半径(I,Jを入力しない場合) |
F | 送り速度 |
穴のヘリカル加工の例
普通に作ると上のような感じになります。
今度は深さを100に変えてみます。
深さが100なのでサブプログラム O1 を繰り返すようにしました。
今度はφ70の穴を3つ加工します。
サブプログラムを2つ使うとプログラムの文字数を抑えることができ、加工径や深さを変更する場合もプログラムの手直しが簡単になります。
また、例では G66 を使っていますが G65 を使うと
X0Y0
G65P2
X100.
G65P2
X200.
G65P2
M30
となります。
マクロプログラムで作るととても便利です。
ヘリカル加工のマクロはこちら⇓
ヘリカル加工のまとめ
いかがでしたか?
穴のプロクラム例を紹介しましたが、ヘリカル補間は、円弧補間にZを加えるだけなので、円弧補間を使っている人なら問題ないと思います。
今回はサブプログラムの使い方も説明していますが、詳しく知りたい人はこちらの記事を読んでください。
穴の加工で毎回、円弧やヘリカルのサブプログラムを作るのは面倒です。少しレベルが上がりますが「マクロ」を使って穴径、深さ、切込みなどをサブプログラム呼び出し時に指定して使うこともできます。それは別の機会に紹介する予定です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上です。